2007-01-01から1年間の記事一覧

倫理の根源は想像力にあると思う

mojimojiさんからTBをいただいたので応答しておこうと思います。 まず、前回は森岡さんの土俵に乗るつもりがなかったので直接書きませんでしたが、森岡さんの問い ホームレスのそばを通り過ぎたとき「間接的ではあろうが、私は他人を見殺しにすることに加担…

注文の多いこの世界

「どうも腹が空いた。さっきから横っ腹が痛くてたまらないんだ。」 「ぼくもそうだ。もうあんまりあるきたくないな。」 「あるきたくないよ。ああ困ったなあ、何かたべたいなあ。」 「喰(た)べたいもんだなあ」 では、メニューをどうぞ。 神のために生きる…

ヤバイのは理科教育より文科教育では?

例えば、 憲法は国民に対する最高法規である Yes or No ? だとか 無期懲役は終身刑と同義である Yes or No ? なんていう問題にどれくらいの正答率があるんでしょう*1。大学生のみならず、社会人においても。 こんなのやあるいはこういうところを読むと、われ…

穴を掘る仕事と穴を埋める仕事。そして「モモ」。

個別の部門がどんなに効率を上げようと、また努力を重ねて「生産性」を上げようと、全体としては全く効果がない、どころかただ疲弊して後退するのみ、という状況が存在します。 穴掘りチームは穴を掘る。 どんどん深く、どんどん早く。地面にでかい穴を掘る…

セックスは生殖のためにあらず

とまでは言いすぎなんでしょうけど。 Inspired by 日本及び海外婚姻事情. 大体、「種の子孫を残すため」にしては「セックス」という行為は手間ヒマかかりすぎると思いませんか? 有性生殖が大事ならチャッチャと手早く済ませればいいものを、ことに高等動物…

サン・ラ+松本零士

これはいい。 アヴァンギャルドというかキワモノ扱いされるサン・ラですが、そのサウンドは実にクール&アシッド。スペース・ファンタジーには鰻に山葵のごとくよく合います。 松本零士はワグナーあたりが好きそうだけど、サン・ラのほうがピリッとしていい…

問題なのは、貧困。

それはそうなのだけど、いわゆる「パイ」が膨らまない限り貧困解消≒格差解消であるのもまた理。 大規模な成長が見込めない以上は再分配するしかありません。 ちなみに政府が頼みの綱とする「イノベーション」。イノベーションを起こすための決まったマニュア…

5号館のつぶやき : 競争的資金から奨学金 

コメント欄の議論にもあるように、これまでタダ働きだったところにサポートがつくという意味においては前進といえます。 しかし同時に、「兵隊」として大学院生をコキ使う大義名分もできてしまいました。「ボスの取ったカネで雇われているのだから、ボスのテ…

料理は成功より失敗しないこと

料理はいつからできるようになるか プロだとか趣味だとかじゃない限り、少なくとも失敗しなければ大概のものはオイシイですよ。 失敗しないコツとしては、 煮物や炒めものを醤油メインで味付けしない。醤油は基本、風味を付けるもの。 塩は極力最後に入れる…

教育再生会議の素晴らしき胸算用

日本が「子供を作りたくない国」であるこれだけの理由 政府はもう出生数を増やす気ないんでは。 だって留学生100万人計画なんて言ってますしね。 政府の教育再生会議の第3分科会(高等教育)が18日開かれ、海外から優れた学生を招致するため、25年ご…

茂木と梅田のいる場所は既に科学者が2000年に通過した場所

科学者に衝撃を与えた「ロマンティックでない」グーグル 今頃何をいってるんだか。この人たちはかの「ヒトゲノム・プロジェクト」を忘れたのか? 特に茂木さん、生命科学研究の歴史を知らないんでしょうか。 あの頃も一種の狂騒状態で、バイオ研究者のするこ…

因果関係は責任関係ではない

「本当は、できるでしょう?」の原初的風景 ホームレスの人を助けるべきか ある行為がある現象の原因になっている、あるいはなっている可能性がある、なんてことはそれこそ無限に言える話。 ホームレスの人に8000円渡して病院に行かせたために医療ミスで逆に…

ミもフタもない結論

ヒトは無意識のうちに高い報酬を求めて一生懸命働く ヒトはより多くの報酬を求めることが無意識の動機付けとなって熱心に働くことが、新たな研究により示唆された。例えば運動選手がより賞金の高い大会で勝つため意識的に一層厳しい訓練を積むことは誰でも知…

中二病の分子メカニズム

神経科学:不安な若者 マウスの実験ですが、成体においてストレスに応答し不安を抑制する役割を持つTHPと呼ばれる神経ステロイドが、思春期においては逆に不安を増大させる効果を持つらしい、ということです。 効果は逆であっても分泌反応はそのまま、つまり…

そういえば都知事選

激しく機を逸してるんですけどログとして。 要は地方選挙なわけで、「東京という地方」にカネを集められそうな人が選ばれる。それだけのことじゃないでしょうか。 浅野さん。 東京は現在の日本の構造において最も富んでいるんですから、日本を変えるとかいっ…

生命とは

「制御しようとするモノである」 生命とは制御できないもののことである 生命とは制御するもののことである 以前、生命とはジャムセッションであると書きました。 ジャムセッションにおいて、確かに演奏を完全に制御することはできません。 しかし、プレイヤ…

アランのオプティミズムは「人間賛歌」に他ならない

先日の梅田さん界隈の議論の発端はどうも悲観主義とオプティミズムにあるっぽいので、近所の図書館にあったアラン幸福論 (集英社文庫)をなんとなく読み直してみました。 で、この辺にも抜粋があるのですが、梅田さんの解釈とはちょっと雰囲気が違うような気…

セント・バーナードとチワワの違い

A Single IGF1 Allele Is a Major Determinant of Small Size in Dogs 私も犬の同一種内でのあの大きさのバリエーションには昔から興味があったのだけど、やっぱり調べている人がいたか。 今回はIGF(インスリン様成長因子)における変化が小型犬に共通とい…

ブラームスはお好き

マンガ音楽家ストーリー finalventさんの御紹介中にブラームスを発見。 そうそう、彼はもともとはかなり甘いマスクで、恩師シューマンの夫人クララといろいろあったりなかったり、なかなか面白い人生なんですよね。 若いときはこんな感じ。 で、こうなる。 (…

おうむのパロッチ

面白い。

アメリカ人は「個」で生きる、という幻想

「何かの専門性」と、「好き」を共有する友達のネットワークと、そこに働きかける「営業力」 なんだか某氏のような煽りトークになってきて残念。梅田さんは茂木さんなんかとお花畑で戯れるより、赤木さん*1とガチで対談した方がよっぽど実があると思いますよ…

捏造される「好き」にご注意

「好きを貫く」のはそんなに簡単なことではない。 一つ学ぶ点があるとすれば、 「何が好きなのか」という根源的な問いに答え続けようと努力する のくだりでしょうか。 人間の「欲望」は往々にして社会的に形成されます。 「もし知らなければ望まない」ような…

この味は・・ウソをついている味だぜ

ということで、昨日のエントリ脳髄は物を考えるところにあらず はエイプリルフールネタでございました。 論文リンク先を観ていただかなかった場合、誤解が生じるとマズいので一応宣言しておきます。。 3月31日のエントリを書いている時になんとなくネタが浮…

脳髄は物を考えるところにあらず

Mice have a center of long-term memory in heart. 今月のArt.Nature(オンライン版)に掲載された驚愕の論文。九州大学正木教授グループの成果です。 正木教授らは水中迷路実験などを繰り返してマウスに徹底的に学習を施します。 その後、完全に経路を記憶…

健全なるゴーストは健全なる義体に宿るか

健全なる精神は健全なる肉体に宿る、ってか ふむふむ。 てか、どうも日本語の「健全」とかいう言葉はイデオロギッシュな含みがあって使いにくいですね。 そもそも単純に速度的な思考力なら、苦痛に苛まれていたり意識が混濁していては処理能力が落ちるのは当…

なぜ研究者は貧乏なのか

似たようなことを最近よく思う 週末の記録 研究って面白い? 「研究」という仕事には、人生を狂わせる危険な構造が潜んでいます。 まずはこちらをごらんあれ。 ハンス・アビング『金と芸術 なぜアーティストは貧乏なのか』 ここでの「芸術」を「学問」だとか…

マウスの観る「赤」は赤いのか

フルカラーの視覚を手に入れたマウス 本来二色しか感知できないマウスに、遺伝子操作で長波長=三色目を感知できる遺伝子を導入したそうな。といってもそれは光受容の部分の話なので、目が三色感知しても脳がそれを処理できるかどうかはわかりません。 しか…

ヘビメタとIQ

ヘビメタを聴く子供たちほど頭脳明晰であることが調査で明らかにされる これは、最近行われた調査結果によるものである。この調査の結果によると、IQが高い中高生ほど、ヘビメタをよく聴いているという。 フ〜ン? メタリカとドリームシアターは少し聴いたか…

淘汰は自然淘汰だけではないしね

自然淘汰と人間性について 一方、性淘汰はガンガン進行中ですな。 危険な性淘汰スパイラル これはその通り。

「運動」と「生活」の両輪

「勝ち組」からの応答──赤木論文を検討する うーん確かに。 「今ここにある窮地」を救えるのは「自分」か「身近な誰か」であって、決して「運動」ではない。 そして逆に、「未来の大きな窮地」に対抗できるのは「運動」でしかありえない。 自分と、身近な人…