アメリカ人は「個」で生きる、という幻想

「何かの専門性」と、「好き」を共有する友達のネットワークと、そこに働きかける「営業力」
なんだか某氏のような煽りトークになってきて残念。梅田さんは茂木さんなんかとお花畑で戯れるより、赤木さん*1とガチで対談した方がよっぽど実があると思いますよ。
ITスキルを身に付ける、それ自体はもちろん結構なんですけど、その後が・・。
結局梅田さんはアメリカにしろ日本にしろ、ごく一部の「上澄み層」しか見ていない。
そりゃ経営者やMBAがゴロゴロしている「勝ち組」ネットワークに入っていれば、友達で回して食えるでしょう。
そうでない人たちはアメリカにも当然いるし、そういうむしろ大多数の人々は「個」どころかここで書いたように「団体」を作って互助しているのですよ。
アメリカ人は皆「個」で食っているなんてトンでもない。組合だってNPOだって宗教団体だって日本よりずっと発達しているんです*2 *3 *4
それに対して日本では会社以外の互助組織がない。かろうじて機能しているのは某「学会」くらいのもんです。
そういう差が梅田さんには見えないのか見えないフリをしているのか分かりませんが、正直あまりフェアとは思えないし、最終的にいい結果をもたらすとも思えません。
個人でネットでまともに稼いでいるのはおそらくこちらで紹介されているような情報商材とかその類で、一概に悪いとはいえないのでしょうが、これがWeb2.0といわれるとガッカリですよね。
TRONの坂村さんも言っているように、結局のところ制度や社会システムを変えていくしかない。それが「イノベーション」ということです。
Web2.0はそのために役立つべきだし、はてなの近藤氏が目指していたのもそういう方向なんじゃないかな。

関連:
好きを貫けない理由
捏造される「好き」にご注意
サバイバルという言葉が嫌いなら使わないで話そうか

*1:http://162.teacup.com/sinopy/bbs?BD=2&CH=5&M=ORM&CID=595

*2:http://co-existing.com/essay/kh3.html

*3:宗教は古典的な互助システム

*4:アメリカ人の「個」は文化的・倫理的な部分にあるように思う。組織や集団を作る力はむしろ強い。