脳髄は物を考えるところにあらず

Mice have a center of long-term memory in heart.
今月のArt.Nature(オンライン版)に掲載された驚愕の論文。九州大学正木教授グループの成果です。
正木教授らは水中迷路実験などを繰り返してマウスに徹底的に学習を施します。
その後、完全に経路を記憶したマウスとそうでないマウスの間であらゆる臓器の交換移植実験を強行。免疫不全マウスを用いることで拒絶反応を抑えているようですね。
その結果驚くべきことに、心臓を交換した学習済みマウスは迷路の記憶を失い、逆にその心臓を移植された学習なしマウスは記憶までも受け継いでいたのです!
心臓移植によってドナーの記憶が受け継がれたという話はいくつかありますが、今回そういう現象が初めて実験レベルで明らかになりました。
情報が心臓に伝わり記憶されるメカニズムは不明ですが、心筋細胞が神経細胞と同じく長い寿命を持つのも記憶と関連があるのではないかと正木教授。
また他の臓器でも行動に変化が観られたことから、心臓は内臓における長期記憶の中枢であり、実際には内臓全般が何らかの記憶システムを持つのではないかと述べられています。
なお、既にこの成果を元に「胎児の夢」なる教養書を執筆済みとのこと。
ご一読あれ。


続報。