日本の大学の起源

件の内田氏やR30さんのところ。
http://shinta.tea-nifty.com/nikki/2005/01/shutodai.html#more
なんか内田氏んとこ最近発火が多いですね。個人的なノスタルジーが絡むとやっぱり筆が滑るもんなんでしょうか。
ていうか、別にクビ大だけが失敗なわけじゃないですよね。そもそも日本の大学はヨーロッパのそれとは起源、目的が違うんです。

ここで日本の大学のいくつかの特徴について述べておきます。先ず第1にその実学指向性です。1877 年に東京大学が日本最初の大学として創立されます。そのモデルはヨーロッパの大学であったと言われておりますが、それは法医文理4学部体勢のごく初期のことかと私は考えております。1886 年には工部大学校を吸収して強力な工学部が創設されました。更に数年後農学部が創設され、1900 年代初頭から法、医、文、理、工、農の6学部構成をとるようになります。ここには実学重視のアメリカのモリル・アクトの考えが影響を与えていると思います。
東京大学帝国大学になった時1886 年に発せられた帝国大学令には「帝国大学は国家の須要に応する学術技芸を教授し及其蘊奥を攷究するを以て目的とす」と書かれてあります。このように基礎研究よりも、すぐ国の役に立つ実学の教育訓練に重点を置く実学重視の精神が、日本の大学には創設期から溢れているのです。これが工、農学部を創設期から総合大学の中核に置いた理由です。

http://www.unu.edu/hq/japanese/nagai/Arima_lecture12Dec02.pdf
これをみれば分かるように、日本の大学はそもそも「国」(政府)のために「国」(政府)が作ったもの。市民の中から自生的に発達したと言われるヨーロッパの大学とは別物です。従って自称「大学人」がいくらヨーロッパの大学起源の話を出して来てもムダです。日本の大学は最初からクビ大と同様の発想で生み出されたんですから。
しかもだからといって、大学や大学人は大学の「再発生」に対して努力もしていません。市井が進んで支える大学にしようともしなかった。
要するにクビ大は象徴に過ぎません。日本の大学人に石原さんや西澤さんを笑う資格はないってことですな。
関連:
http://d.hatena.ne.jp/antonian/20061022/1161505220
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%AD%A6#.E6.97.A5.E6.9C.AC.E3.81.AE.E5.A4.A7.E5.AD.A6.E6.95.99.E8.82.B2_2