障害者と優生学/20世紀のアメリカと21世紀の日本

「"知的障害者"は合法的に犯罪が許されるのだろうか?」
「知的障害者とは共存できない、隔離せよ」
知的障害者が合法的に犯罪が許されるか否かより、まず考えておくべきこと
言うべきことはいろいろと言われていると思いますので、少しだけ歴史のおさらいをば。

  • 産業構造の変化
  • それに伴う格差の拡大
  • 労働条件の悪化と低賃金化

20世紀初頭、アメリの姿です。
そして1907年、権力が障害者を「去勢」する、世界初の「断種法」インディアナで制定。
次々に他州も追従、最終的に37の州が「断種法」を取り入れ、10万人以上の人たちが「断種」されました。


優生思想自体はイギリスにおいて、かのダーウィンの従兄弟、ゴルトンによって生み出されました。しかし、その頃は飽くまで思想に過ぎなかった。
よくも悪くも思想を具現化する国は、やはりアメリカだったのです。
ちなみに現在でも生命科学のメッカとして知られ、DNA二重螺旋を発見したワトソンも所長を務めたかの「コールド・スプリング・ハーバー研究所」。ここはもともとこの頃、ゴルトンを崇拝するダヴェンポートらによって作られた優生学研究所」でした。
後にこのアメリカの施策はナチスに受け継がれ、不景気化のドイツで遺伝的欠陥を持っているとみなされた40万人もの人々が断種され、殺されました。これはいわゆる「ホロコースト」以前のことです。
そんな中、世界は第二次大戦へと向かっていきました。


もちろん歴史がそのまま繰り返すことはありえませんが、このなんとなく笑えない、あるいは逆に笑える雰囲気、分かっていただけたでしょうか。
日本の構造からしてシステマチックにこういうことがなされるとは思えません。
仮に起こるとしたら、「なんとなく」「自然に」「そういう空気で」「結果的に」
誰の責任ともなく、起こってしまうでしょう。

「歴史は繰り返す、ただし一度は悲劇として、二度目は喜劇として」。


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