Science For All Americans翻訳プロジェクトが始動しました
私が先日ぼそっとつぶやいたものを幻影随想さんが拾ってくださいまして、有志による「Science For All Americans翻訳プロジェクト」がついに立ち上がりました。
Science For All American勝手に翻訳プロジェクト、協力者募集のお願い
この本はタイトル通りアメリカ人に対して書かれたものではありますが、科学に対する考え方、理科教育に対する意見など、非常に良い内容で日本人が読んでも十分過ぎるほど為になります。
特に理系の教育者であれば、一度は目を通しておくべき内容だと私は考えます。
しかし残念なことに、このプロジェクトや報告書については、日本ではほとんど知られていません。
この原因はいろいろあるかと思いますが、一番の問題はやはり言語の壁かな、と思います。
英語の本を平気で読める日本人なんて滅多にいないので、そこで尻込みする人は多いでしょう。
そこで今回、日本人がScience For All Americansの内容にもっと気軽に触れることができるよう、翻訳プロジェクトを立ち上げることにしました。
Science for All Americansは、冊子版だと250ページに渡る、15章構成のかなり分量のある報告書です。
これを個人で翻訳するのはさすがに私の手には余ります。
そこでこのプロジェクトでは、SFAAを章ごと、段落ごとに細かく分割して、段落単位で翻訳を進めていくこととします。
黒影さん、ありがとうございます。いやあ、これぞナントカ2.0?
ただいくつか気になる情報があちらのコメント欄に寄せられています。
実は私たち(近畿大学の木口先生と私)もこの本に着目していました.翻訳を出版したく思い,APSや出版元のイギリスのOxford社にメールを送ったりしたのですが,レスポンスはありませんでした.また日本の出版社の知り合いに問い合わせたのですが,残念ながら出版することに対して興味をもってもらえませんでした.ご指摘のように日本語訳をAPSに送ってホームページに載せるように依頼したという政府関連の報告書を見つけましたが,現在それはAPSのホームページに出てはいませんね.
なにやら日本語版はすでにどこかに存在しているのだけれど、権利関係のためか(?)表に出てこないのだとか。
まあ考えてみればアメリカの科学者達が何年もかかって必死こいてまとめたアメリカ国民のための教科書を横から日本人が持っていくというのは気持ちのいいもんじゃないかもしれませんね。大体、先進国ならこれくらい自分で作れ、といわれたら全くおっしゃる通りでございます、なんですが。
とはいえ英語版がウェブで無料公開されているのですから、引用元を明記し、営利利用しなければ何とか…というのはやはり甘いのかな。
この辺、詳しい方がおられましたらご指導いただけると大変助かります。
まずはもう一度AAASにコンタクトをとる事かなぁ。一部ならともかく、丸ごと訳すとなるとやっぱり許諾がないと気持ち悪いですしね。もしかしたら、担当者がたまたまバカンスで長期休暇だった(そして忘れられた)、という可能性もなくはないですし。
とりあえず、各自で部分訳を作る分には大きな問題はないでしょうから、その辺からわらわらと始めましょう。
この部分がやりたい、いう方はあらかじめ幻影随想さんのところで宣言していただければ幸いです。
追記:1−3章は近畿大学ですでに翻訳されており、現在11、12章を翻訳中とのこと(ただしフリーにならない可能性もあり、独自に訳した方がよいかも)。また8章の一部はこちらで訳されています。6章はこちらで翻訳中。全般はここの進捗状況とTBで確認して進めていただければと思います。