新しい年、新しい時代に必要な3冊と3エントリ
ベタですけどね。今回は科学周辺の話でなく、諸説紛々毀誉褒貶、ライフ八苦系の本を三つ紹介いたします。
「婚活」どころか「生活」という言葉がずっしりこたえるこのご時勢。読まないことがライフハックといえる自己啓発本が多い中、いくつか糧になりそうな本もあるようです。
以下は私が出会ったそういう本たち。
まず一発目はコレ。
- 作者: デイルドーテン,野津智子
- 出版社/メーカー: きこ書房
- 発売日: 2001/12/01
- メディア: 単行本
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ものすごーく柔らかい文体ではありますが、実は内容はかなりドラッカー寄り。成功本で成功しない理由、イノベーションの正体、自分と時代と「成功」との関係など、意外とディープな示唆に満ちています。「仕事」という文脈で捉える必要すらないんじゃないかな。
メカニカルで論理的なビジネス成功譚に囚われず、多様性と偶然性を大事にして自分や世の中を豊かにしていく。
遅かれ早かれ、日本もそういう方向に向かうでしょう。そしてそれが早ければ早いほど傷も浅くすむ。
その入り口、道案内として最適なのが意外にもこのうさんくさいタイトルの本なのでした。
でだ。
そういう生き方やり方は一人で出来るもんじゃない。組織や集団や仲間や友人や家族を巻き込んではじめてうまくいく。
だからといって心理テクニックに頼るとそれはドラッカーの言うとおり、自滅への道。
はるかに真っ当にコミュニケーションについて書かれた本がこちら。
- 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2006/10/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「人を大切にする」ことと、「人を目的としてあつかう」こと。日本の教育では前者は学ぶけれども、後者について学ぶ機会がほとんどありません。この2つは似ているようですが、決定的に違う点がある。なれあいではない真のコミュニケーションにおいては、その違いがなによりも重要なのです。
これを知っているかどうかはコミュニティの中で活きる際に非常にクリティカルだと思います。そういう本。
そして最後。
- 作者: マーサスタウト,Martha Stout,木村博江
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2006/01
- メディア: 単行本
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上の二つの本はどちらかというと性善説的な基調のもとに書かれています。
が、残念ながら必ずしもそれだけではうまくいかないのが現実というもの。
上で書かれたような「知識」を「悪用」し、他人を操作し支配しようとする人たち。
もちろん程度と状況によるのですが、世の中そういうタイプの人も確かにいるのです。必ずしも彼・彼女らが「悪」であるとは限りませんが、そういう傾向のある人に対してはそれなりの前提で関わっていくことが必要です。
その人の知的能力や地位、外面的魅力と関係なく、こういった他者操作傾向の強い人に不用意に関わると自分の人生や生活のコントロールを失うことになります。ネットであれ、リアルであれ同様です。
上の2冊が攻めであるなら、この本は護りの要です。
むろん、こういう本はしょせんは抽象論、誇張された表現や科学的には?な部分もなくはないのですが、人生のアドバイスとしてはそこそこ妥当なんじゃないかと思います。
なにより、単なる成功者の体験談ではなく、ベースに結構ディープな哲学があるのがなんとなく分かってきます。
軽めのライフ八苦としてはこの辺を押さえておけば十分なんじゃないかな。
オマケ程度ですが、なんとなく意味がありそうな私の自炊エントリも3つ紹介しておきますね。
競争について子供に教えるべき3つのこと
シンプルですが、今読んでもそれなりにいい事いってるかな、と。たまに昔の自分の記事を読みかえして目が覚めることがあります。大人は忘れるのだなぁ。
ドラッカーはネオリベでもサヨクでもないですよ
ドラッカーの予測がどっかんどっかん当たり始めた2008年。今後の指針についても大いに参考になると思います。
高齢化を強みへと変えた「再生のピッツバーグ」
こちらでも指摘されてるけど、財政政策ってのはどこにどうお金を注ぐか、それが何よりの生命線です。
現代日本の課題は、中高齢層の富を若年層の力と交換すること。そのために必要な産業のカタパルトとして財政が使われなくてはなりません。
私はそれは広い意味での「ヘルスケア」だと思います。身体的なものに限りません。精神的、文化的、社会的なものも含まれるでしょう。そもそも「健康」ってなによ、というところから定義し直す必要すらあるかもしれません。「死を迎えるための健康」という概念もやがて現れるでしょう。*1
Wii Fitで終わるには早すぎる。
次はメメント・モリだ!(嘘
*1:名づけて「死活」?