恒例内田センセ。

誰かが私をインスパイアしたのである。
その消息について論及するのが先行研究批判である。
このふたつの挨拶ができたら「博士」合格である。
私はそう考えている。

こちらもある意味プレゼンの重要さを指摘された文章です。要するに「イントロダクション」と「ディスカッション」の重要性ですね。
もちろんこのことに異論はないのですが、この二つで「博士合格」はやや問題があるかと思います。
プレゼンは重要ですが、真に重要なのはやはり「結果」「研究本体」です。特に「博士」というのは研究者の免許ですから、いかに「見てくれ」が良くてもここがダメならお話になりません。いかにフグ調理師の包丁捌きが鮮やかでも、アタってしまっては仕方がありません*1。少々見てくれが悪くても、主題を適切に調理できているか、すなわち科学や学問の方法にきちんと則って議論がなされているか*2、がまず重要なのです。
用語の定義が曖昧でないか。途中で都合よく変えられていないか*3
前と後ろで話が矛盾していないか。論理的整合性はあるか*4
仮定をそのまま結論に使っていないか。トートロジーに陥っていないか。
データに基づいているのか、いないのか。判断の根拠は何なのか。
「知と愛」も大事ですが、まずは「学の基本」をちゃんとしていただかないと「博士」の価値はますます落ちると思いますよ、内田センセ。