というわけで

昨日の記事はエイプリル・フールネタでした。
ネタ元はリンク先のおじさん、ロバート・ソウヤーのSF小説
ターミナル・エクスペリメント (ハヤカワSF)
人格の電脳空間への移植や、魂の存在を示す電磁波”魂波”など、美味しいネタがつまっていてエンタメ的にもよくできたSFです。よかったらどうぞ。ホブスンはこれの主人公ですね。
ちなみにペンローズが意識の量子論を唱えている(いた?)のは事実。
紹介した心の影〈1〉意識をめぐる未知の科学を探るではペンローズがあふれる教養と知識と学問を使って、人間の意識、というか悟性的な知性は論理回路以上の「なにか」である、ということをプレゼンしていて、非常に読み応えがあります。特に集合論を使った論証は圧巻。
ゲーデルの哲学 (講談社現代新書)ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)にもつながっています。
ただ下巻の最後に出てくる微小管が意識の座かも、というところはさすがに厳しい。
ミクロとマクロの現象をあまりにも単純にくっつけすぎた感があり、現在ではほぼネタ扱いになっているかと思います。
量子論の不確定性と自由意志とを結びつける議論もありますが、ペンローズの場合は自由意志というよりは人間の直観的認識能力を説明するためのモデルみたいですね。神経系が論理回路であるなら、それ以上のなにかが細胞内、たぶんネットワーク構造の微小管にあるはず、という。
SF的想像力としては魅力的ですが、おそらく前提が違うんではないかな〜。