任天堂はさすが、天の動きを良く見ているよ

Inspired by 本を読んで分かった任天堂の「今そこにある危機」
「ゲームの会社」ではなく、「ソフトの会社」と自己を再定義しているところがまずすごいですね。
DSにしろWiiにしろ脳トレにしろ、特にこの数年の任天堂の動きの底流には、前回書いたような社会の新しいコンセプトが確実に流れている。
あえていうまでもないですが、それは「家族(コミュニティ)」・「健康」・「教育」の三つ。
任天堂が生み出しているのは「ゲーム」でも「ゲーム機」でもなく、これらのコンセプトを支援する「ソフト」なのです。
もちろんコンセプトだけでうまく行くわけじゃない。
それを実現するためには任天堂ならではの「強み」が必要であり、それがこれまで「ゲーム」として培ってきた「センス」というわけ。
ゲームは重要ではあるけれど、あくまで「ソフト」の一要素なのです。そこまで割りきれるところが「天」の動きを第一とする任天堂の凄みでしょうね。ドラッカーのいうところの「機会主義」を愚直に実行しているのです。
一人勝ちの要因は、これらのコンセプトに周囲が追いつけない、からではない。
最先端を追いたい人たちにとってはこれらのコンセプトは古臭くみえ、受け入れるのに抵抗があるのです。
しかし任天堂が提示しているのは旧態依然としたそれではなく、あくまで新しい形のコミュニティであり、健康であり、教育なのです。そしてそれは最先端であると同時に、世界に対する普遍性もあわせ持っている。
各自の強みを活かす形で、これらのコンセプトを支援する仕事を生み出すこと。
このことに気づき実行する者こそが任天堂への次なる刺客となり、今後の日本と世界をリードすることになるでしょう。