ハカセミーティングの個人的感想
id:yun__yunさん、id:Hash、黒影さん、レポートありがとうございます〜。
開催側としてはなかなか書きにくいところもありますが、ここで私も個人として感想を書いておこうと思います。
急な開催に関わらず多くの方が集まってくれた
しかも京都。関東からもかなりの参加者が来てくださって、とても嬉しかったと同時に、「場」をうまく作ればネットワークの意欲自体は十分にあるんだな、と確信しました。
で、その「場」こそが難題。科学や研究畑の人たちはこれまであまりそういうことは気にしてこなかったと思うのだけど、これを重要テーマとして認識しさえすれば方法論は必ずまとまるはず。
KGCさんはその辺さすがの先見の明です。今後ともよろしくお願いします。
ポスドク問題の原因と責任
なんというか、「責任」ということに関してはもはや歴史の問題になってしまっている。
文科省の大学院拡充がトリガーであることは明白なんですが、そこから「責任」を引き出そうとしてももはや手のつけようがない。これに関しては「天皇」もいない。あえて言えば当時の責任者でしょうけど、誰がどう責任を追及するのか。例によって、「空気」の責任になりそうです。
文科省は天下り先を確保しようとしたのかもしれないし、ベンチャーが出来ると本気で思っていたのかもしれない。それは確かめようがないんですよね。
いずれにしろ、拡充に対して文科省も大学も社会も適切な対応ができなかった。
大学は拡充に対応するカリキュラムや体制を作れなかったし、そういう人員や資金も足りなかった。企業がそれらを提供することもなく、ベンチャー的な文化やシステムを創ることもできなかった。
大学院生に先見の明がなかったといえばそうかもしれませんが、国や大学や企業すらプッシュしていた方向性を信じた方が悪い、となると日本には信用など存在しないといっているようなものでは。
もっとも、既に問題は明らかになったのですから、今後はいろいろと考える余地はあるわけです。
複数の問題の錯綜
- いわゆるポスドク問題といった時に多くはライフサイエンスや物理など基礎科学系のお話。
- それとは別に、文系の博士問題というのも昔から続いています。
- 工学系ではむしろ進学率の減少が進む。
- 科学教育における人材と資金の不足。
- バイオ等の新興産業が生まれない問題。
- 研究関連職の地位や雇用の問題。
- 政治やジャーナリズムにおける科学的素養の不足(科学だけではないという説も)。
それぞれに対応策や方向性が違う問題で、ゴッチャにするとわけが分からなくなりそうですが、同時に単独の専門で解決できる問題は一つもないでしょう。より大きなレベルで問題意識や目的を共有してネットワークを作っていかなくてはどうにもならないと再認識しました。
資金を得るということ
やはり最も刺激的だったのはKGC柴田さんのお話でしょうか。
ぶっちゃけ今、国にはお金がない(といわれている)。だからお金があるところから資金を得ることを考える。
確かに正論です。
一般的に資金を得にくいからこそ国の研究費がある、ともいえますが、実際に柴田さんが各所から集めた資金には十分な説得力がありました。
有閑マダム向けサイエンスカフェ、というのも面白いかもしれませんね。
中高齢者の持つ巨大な資金をいかに若者に再分配するか、というのが日本の大きな課題ですが、彼/彼女らの関心をうまくゲットすることで無理なく財の移動ができればwin-winということなのでしょう。個人的には、その点でヘルスケア&芸術が今後重要な鍵を握ると思うんですけどね。
もっと時間が必要
40名で2時間は短かった!
一部の方々は夜中まで木屋町で盛り上がったようで大変うらやましいのですが、私は仕事&地理的な都合もあり二次会の早めで退出。すみません。
全員がスムーズに交流できる仕組みやイベントはもう少しあったほうがよいですね。
ディスカッションでも、パネリストのエネルギーに圧倒されてハンドルが効かず。むしろそのエネルギー主体で行こうと切り替えたところもあるのですが、やはりもっとじっくりテーマに関して練り上げる時間が必要でした。