大きな箱、小さな箱、ネットという箱

おひさですー。
なんせ公私共にわたわたしていてネットにフォローできてません。
チベット関連のデモも行ってみたかったんですが機を逸しましたので地味に不買を始めています。
http://www.joc.or.jp/aboutjoc/sponsor/index.html
コカコーラ、マクドナルドを断つのは割と簡単かな。VISAはJCBにできるし。ジョンソン・エンド・ジョンソンは割と盲点かも。バンドエイド使えないな。電化製品は松下か。引越し準備中なので気をつけよう。日清、味の素はここんとこ買ってないし、現状維持でOK。
しかしなんつうかそもそも消費に貢献してないような…。
ところで、各所で話題だったこちら

自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

  • 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2006/10/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読んでみました。とてもリーダビリティは高く、小一時間で読了できます。
以前たまたま私達は一人一人「中国語の部屋」に生きている なんてのを書いていたので、微妙にシンクロを感じていました。
内容はややレトリカルですが、私的には結構共感できるものでしたね。
特に、人を「ひと」と見るか、「モノ」と見るか、というあたり。
ネット時代、ブログ時代になり、情報発信の機会が爆発的に増加するにあたって、人の注意や関心が有限な「資源」として扱われるようになってきました。
いきおい、テクニカルに人の関心を「操作」しようとする傾向が増し、個々人ではなく「マス」が意識され、ネット上での人の「モノ」化が加速します。
これはまさに、本書でいうところの「箱に入った」状態といえます。
もちろんプレゼンというものには大なり小なり操作的要素は入るものですが、だからといって他人の操作になんの躊躇もなくなってしまうのはお互いにとって非常に危険なことなのです。
まあこの辺は読まれた方はお分かりでしょう。
ただ本書に関して一つ気になるのが、ストーリー上仕方ないのかもしれませんが、この「箱に入った」状態を「会社や集団の業績や成長」における問題と捉えている点。
これだと、場合によっては集団ごと「箱に入る」可能性が出てきます。
自らの仲間集団以外は「ひと」と見なさない。
人種や民族の問題とはつまりこういうことなのでしょうし、くだらないイデオロギー対立にもこの構図がありそうです。
ここまで踏み込んでいれば、本書はビジネスや人間関係のみならず、本質的な「倫理」の書として読むことができたのでしょうが、まあセールスとしてはそこまでは、ということかな。
ネットを「箱」製造装置にしてしまわないためにも、一度読んでおいて損はしない本だと思います。