理科教育より科学教育を

トンデモの空白をどううめるか

基本的には、トンデモさんに対して我々ができるサポートは、この試行錯誤を支援することのように思う。また、我々がトンデモにおちいらないためには、この試行錯誤に耐えるべきだと思う。試行錯誤のプロセスの中では、疑似科学にひっかかり、失敗する経験も必要となることもあろう。

実際はこの「試行錯誤のやり方」こそが科学のコアなんであって、それが掴めないといつまでたってもあっちからこっちへと右往左往することになりかねません。
結局のところ、「理科」教育というのは科学によって得られた知識を「権威」として教え込むことが中心になっていて、現在の日本では「科学というプロセス」を学ぶ機会は大学院に入るまで(あるいは入ってからも!)ほとんど存在しません。
だから権威としての「科学(知識)」を盲信するか、あるいはアンチ権威としての「ニセ科学」に転向するか、いずれにしても極端に走りがちなのです。
理科教育推進に奔走する方はかなり増えてきていて、もちろんその努力には敬意を表しつつも、理科より科学なんだけどなぁ、とつぶやいてしまいます。

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