誘惑の香りは短命の元?

極東ブログさんでちょいと嗅覚の話が出ていたんですが、タイムリーな記事がScienceにあったのでご紹介します。
においの影響で寿命が短縮(Long Lifespan Reversed By Olfaction)*1

げっ歯類やおそらく霊長類も含むほとんどの動物は、厳しいカロリー制限で寿命が延長することが研究により証明されている。
今回、Sergiy Libertらは、厳しいカロリー制限を受けているショウジョウバエDrosophila melanogaster 2種に主な餌のひとつであるイーストのにおいを嗅がせた。その結果、これらのハエの寿命は6〜18パーセント短くなったが、一方、食事を十分与えられていたハエの場合は食べ物のにおいが寿命に影響することはなかった。厳しい食事制限を受けているハエでの、においと寿命短縮の関係を確証するため、強いにおいの感覚に不可欠なOM83b遺伝子が欠損したハエを調べたところ、食事のにおいを嗅ぐことができなかったハエは長生きすることがわかった。

うーむ。
においというトリガーのせいで身体が摂取モードに入ってしまい、余計なエネルギーを使うせいで寿命が縮むのか、それとも据え膳を食わせないのはハエとはいえ「ストレス」になってしまうのか。
カロリー制限やダイエットで老化を防ごうとしている人は結構いるようですが、この誘惑だらけの世の中では逆効果になってしまう可能性も無きにしもあらず・・*2
やっぱ食いたいもん食ったら?*3

*1:Regulation of Drosophila Life Span by Olfaction and Food-Derived Odors

*2:そもそも実験上のカロリー制限は栄養バランスはきちんと計算されているので、その点も要注意。

*3:バランス内でね。