「強者」の必勝法は常に二つ

弱者を弱者にしている、唯一にして決定的な要因は、「強者を理解していない」ということ
確かに、いわゆる「強者」の立場にいる者が皆個人レベルで圧倒的なスペックを誇っているわけではないんですが、そんなことは議員のセンセイ方(特に二世三世)を見れば小学生でも感じていることではないでしょうか。
ただし、「超人」でなくとも「強者」の立場を握り続けるための「強者の必勝法」は確かに存在するのです。
古来より「帝王学」とも呼ばれてきた秘伝ですが、そのエッセンスはわずか二点に凝縮することが可能です。「強者」は決して言いたがらないこれら二つを最後に明かしておきましょう。


一つ、
 「分割して統治せよ」 
一つ、
 「胴元たれ」 


拍子抜けしました? でも基本はたったコレだけなんです。
簡単に説明しましょうか。


一つめ、「分割して統治せよ」
聞いたことありますよね。古代ローマから春秋中国まで広く用いられてきた統治法です。貴族しかり、武士しかり、上位に位置する「強者」というものはその他の「弱者」の総和から見れば微々たるものです。つまり「団結した弱者」には敵わない*1。そこで、「弱者」をグループ分けし、できるだけ反目したり、見下しあったりするように仕向けるのです。
例えば日本の「士農工商えた非人」は非常に巧妙なシステムでしたね。「農工商」が団結しないよう、経済力のある「商」を下位に置き、「農」のプライドをくすぐるとともに反目させました。また、「非人」は「えた」より下ですが、固定された「えた」と違い、身分を脱出することを許されていました。その結果、共に賎民の身分に置かれた「えた」「非人」は団結が難しくなったのです。


そして二つめ、「胴元たれ」
要するに「弱者間で競争させ、上前をはねろ」ということです*2。勿論一つめとも密接に関わっていまして、競争が団結を防ぎますし、また団結されると上前をはねるのが難しくなります。
これは大概の賭け事がそうですし、いわゆる「成果主義」なども当てはまるでしょう。大きなレベルでは「アメリカンドリームシステム*3」がよく出来てますよね。最近の日本の「勝ち組/負け組」「待ち組/賭け組」*4コンセプトも同様です。


つまり「強者を知る」ということは、これらの方策がどういった形で世界にビルトインされているのかを知るということなのです。
そして「弱者」はできるだけこれらのスキームに乗らない形で生きる術を考えねばなりません。
また残念ながら、これらの手法は「強者」が使ってこそ意味がある「必勝法」で、「こうすればみるみる弱者から強者へ!」といったものではありません。しかし、そういう類の「必勝法」こそが「強者の仕掛けたスキーム」であることは、ここまで読めば分かっていただけたのではないでしょうか。


えーと、ああ、この文章も「強者の罠」かもって? そうかもしれませんね。じゃあ、「どうすべきか」なんていう結論は無しにしときます。いろいろな立場のいろいろな人が「抜け道」を模索するのがよいのでしょう。