「特攻隊」と「特攻させ隊」
そもそも大日本帝国海軍が特攻隊員に行ったのは、奇術でいうところの「フォース」、つまり「相手にこちらの思うとおりのカードを引かせる心理的トリック」であって、実のところ隊員たちに選択肢など存在していなかったともいえる。若者が強制的にババをひかされる姿がそんなに美しいかと。
まあ個人的には、過程はどうあれ、人のために自己犠牲を遂行する若者の姿に一種の美しさを感じるにやぶさかではありません(この場合は相手を殺すため、というのが引っかかりますが)。
ただ、「自己犠牲を行う若者」をコインの表とするならば、その裏には「自己犠牲を行わせる老人」が存在しています。
「(若者に)自己犠牲を行わせる老人」*1 *2。
こちらはどう見ても美しいとは思えません。というか醜い。
「特攻隊」の美しさを語るのなら、同時に「特攻させ隊」の醜さを語らねばなりません。