空気読み競争やメタネタベタ争いはWeb2.0を殺す

上記に関連して。
儲かる儲からないは抜きにして、「Web2.0」が集団知集合知を活かすシステムとしての価値を持つものだとするならば、いわゆる「空気読み競争」や「メタネタベタ争い」はその機能を著しく阻害することになるでしょう。
何故ならば、集団知集合知というものはここここにあるように、
ある課題について多様な集団構成員各々が自立/自律的に思考し、意見を自由に表明する
ことで成立するものだからです。
ネタだからとか、空気読めてないから、とかいう圧力によって自由な思考・意見の表明が阻害されれば、そこには「集団知」は生まれようがないのです。日本のWebが「2.0」に移行できるかどうかは、恐らくは「2ちゃん」由来のこの呪縛を逃れうるかどうか、にかかっているといえるでしょう*1
もちろん、Web以外の集団についてもこれはいえます。例えば小泉首相は優れた「空気」の操縦者ですが、それこそが民主主義という集団知のシステムを阻害するともいえるのです。
追記
例えばこのような話も、読者それぞれが独立に本を読んで感想を出していくことが必要条件となるわけです。もし、読者が周りの読者の「空気」を読み始めたり、権威のある批評者の意見に左右され始めると、こういったメカニズムは崩壊します。つまりその意味では、「ブログ」は特に日本では「集団知」を成立させにくいのかもしれません*2

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*1:http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060419#p1

*2:なにしろブックマークにおいてすら「空気を読む」文化ですから。