オートメ実験
id:kmiuraさんが大分前に触れてらしたんですが、分子生物学的実験〜考察を行なってくれるロボットが作製されています。http://www.nature.com/nsu/040112/040112-9.html
正直僕はそういうことをやってるわけで、確かに「これ俺がやる意味あんの?(時間無いのに)」と思う瞬間は多いです。技術員がいない日本では特にそうなんでしょう。遺伝子破壊なんかもハエや線虫といったモデル生物ではハイスループットスクリーニングがどんどんやられて、こんなデータベースhttp://www.wormbase.org/が出来てたりもします。
もちろん、学位取らなきゃならんからやってる、というところもあるんですが、ただロースループットにもそれなりの良さはあるんですよ。公開されてるデータベースや大量スクリーニングの結果を一部追試してみると、結構違う結果が出てきます。大体の傾向はあってる時もあれば、全く逆の結果が出たこともありました。
誰かが一度大量スクリーニングをやってしまうと、同じことをやろうとする人は基本的にはいなくなります。が、少なくとも現時点ではかなり穴が多いみたいですね。そういう取りこぼしを狙うってのが弱小ラボとしてはオイシかったり。ま、いずれ精度が桁違いにでもなれば分かりませんが。
そうなってくると、実験科学者の意義ってのはどこにあるんでしょうね。メカに勝てそうなところといえば、観察と考察くらいかな。後は新技術を開発するか。。特にナマモノの場合、毎日観察してると「なんか違う?」と感じたり、突然「そうか!」と思い当たることがあったり。こういう「直観」はメカでカバーできるのかな。後はベタですが「ミス」による発見。セレンディピティというか。これも割とあるみたいです。
論理は必要条件として、こういう「直観」を磨くことがこれからの実験科学者にとって結構武器になってくるのかもしれないな、と思ってたりします(諄い?)。