『「ベンチャー」って言うな!』

無学歴、無職歴、無実力のニートが年収500万円の正社員になる方法
なんだか一人ディベートをしている面白い方登場。
ニート言説界隈によくある「とりあえず働け論」のバリエーションなんですが、IT業界に限定して詳細に書かれているところが興味深いです。「ベンチャー系」中小IT企業は(特に首都圏には)
1.数(需要)がある上に
2.人員の流動性が高く
3.仕事の全体が見渡しやすい
ので、こういう戦略は他業種より成功確率が高いかもしれません。
脅しで動員するよりも、こうやって具体的な戦略を描くというやり方は悪くありません。僕も仕事はまずは「食うため」だと思っていますので、「どうやったら食えるか」のメソッド集は有用です。
ただ注意すべきは、やはり村上龍的「好きなことを仕事にしろ」労働観*1、そして内田樹的「対価は承認」労働観でしょう。これらは飽くまで結果としてそうであればいいね、ということであって、仕事の第一の目的とすべきではありません。このミームに嵌ってしまうと、それこそ骨までしゃぶられて終わってしまいます。
ここで気になるのは、「ベンチャー企業」という呼称です。この言葉には、明らかに村上龍的なカヲリがしますし、なんと言ってもアメリカン・ドリーム・システムの産物です。
この場合重要なのはまず小規模事業に携わることであって、「ベンチャー」に行くことではありません。というか、やたら「ベンチャー精神」を掲げるような会社には村上・内田的労働観が蔓延しているおそれがあります。その辺には気をつけたほうがいいでしょう。仕事を覚えるなら、小規模だがそれなりの安定基盤を持つ企業に行くべきです。
しかしいずれにしろ、経済が拡大するまたは再分配政策を促進する、がない限り状況の厳しさにそう変わりは無いように思います。。