最悪にして最高の商売

ちょっとキナ臭いお話。
とある在米経験の長い投資家の方と話していて、「最悪のビジネスは何か?」という質問をされました。殺人や人身売買も考えたんですが、ちょっと思い付いて「麻薬」と答えると、正解ということでした。
殺人や人身売買は確かに極悪だけれども、麻薬はいろいろな意味でもっと悪質なんだそうです。習慣性や精神を蝕むこと、また「伝播」するコトなどがポイントだったかな。
これを聴きつつ思ったのは、結局ビジネスというのは麻薬への漸近線を辿るんだなぁ、ということでした。
「麻薬」の危険性は裏返せばほとんどがビジネスの「うまみ」なのです。

  • コストが安く利益が高い
  • リピーターが得られる
  • 欲求が亢進する
  • 陳腐化しない
  • 市場が自動的に広がる

これらの項目だけ見れば、ビジネスにおける商品として理想的に見えますよね。事実、あらゆる商品やサービスはこういう方向に向けて改善を繰り返しているのではないでしょうか?
特に最低限の必要の満たされた日本のような国においては、ビジネスはもはや「麻薬的」にならざるを得ません。「麻薬」に近付けど、決して「麻薬」にならないビジネスを。成熟型資本主義の舵取りは全く難しいものです。