ほーう

某大学新聞に、「社会に評価されない社会科学を目指して」というタイトルのコラムが載っていました。なかなか面白そうなので、後でちょいとレビューします。
どういう話かなんとなく予想つくとは思いますけど。。
↓で、下記。
まず、ポイントとなる箇所をいくつかピックアップ。

  • 社会科学というもの、社会を評価するものであって社会に評価されるものではない
  • 評価されないものがベストといっているわけではない
  • 諸社会集団は必ずその利益に合致する「社会科学理論」をサポートする
  • 社会科学とは「社会」の全般を対象とした「科学」として、実はこうした「社会科学理論」そのものを対象とするものでなければならない
  • 真の社会科学とはこうした諸理論の外部からそれらを客観的に論ずるものとして、各種の利益から独立していなければならない

カ、カッコイイ。。id:Ririkaさんのところでいつぞやか僕がぶった社会学=工学論をぶったぎるサイエンス魂ですな。さぞや敵も多いことでしょう。ちなみにこれは京都大学新聞に掲載された京大経済学部教授大西広氏のコラムです。
素晴らしいのですが、もしもこの理想に従って社会学をサイエンスたらんとするならば、その理論からは「社会の目的」という要素は徹底的に排除しなくてはならないでしょうね。用いるとしても「仮定」として極めて慎重にならなくてはならない。そのうえでプロセスそのものを詳細に解析、記述する。。そんなことが果たしてできるのか?というところですな。
もし実現したならば、それは恐らくセルダンの「心理歴史学」に近いものになるのでしょう。で、結局は科学技術と同様に今度は実効力をもって「利用」されることになるのかもしれませんね。。