5号館のつぶやき : 競争的資金から奨学金 

コメント欄の議論にもあるように、これまでタダ働きだったところにサポートがつくという意味においては前進といえます。
しかし同時に、「兵隊」として大学院生をコキ使う大義名分もできてしまいました。「ボスの取ったカネで雇われているのだから、ボスのテーマで働くのは当然だ」というわけです。院生にとって複数のリソースのうちの一つという位置づけならよいのですが、コレが支配的になってしまうと「自分でテーマを追う」という博士の最も重要なファクターが損なわれる危険性があります。
ところで100万人の留学生はどうやって養うのかしらん。*1

*1:もう一つ、返還義務があるものを「奨学金」と呼ぶのやめませんか。「奨学ローン」が分かりやすい。

問題なのは、貧困。

それはそうなのだけど、いわゆる「パイ」が膨らまない限り貧困解消≒格差解消であるのもまた理。
大規模な成長が見込めない以上は再分配するしかありません。
ちなみに政府が頼みの綱とする「イノベーション」。イノベーションを起こすための決まったマニュアルはないけれど、ドラッカーいわく「多様性」だけは必要らしい。
そして多様性は強い淘汰圧下では生じません。
豊かな環境下、適度な競争と広いニッチがある時に生まれるものです。熱帯雨林しかり、カンブリア爆発しかり。
移民で多様性? 今のままではある種の「圧」が強まるだけのような気もしますが。

サン・ラ+松本零士


これはいい。
アヴァンギャルドというかキワモノ扱いされるサン・ラSpace Is the Placeですが、そのサウンドは実にクール&アシッド。スペース・ファンタジーには鰻に山葵のごとくよく合います。
松本零士はワグナーあたりが好きそうだけど、サン・ラのほうがピリッとしていいですね。