お台場の御礼と筑波の告知

遅くなりましたが、22日お台場サイエンスアゴラのプレ・ミーティングにおいで頂いた皆様、まことにありがとうございました!
ラフではありますがためになるお話をいろいろと聞かせていただきました。

  • たとえば大学院や基礎研究における特許の扱い。

私も経験ありますが、特許取得の作業は煩雑ですし、その間は原則として発表は制限されます。その意味で確かにサイエンスを遅らせるといえますが、一方で知財を考慮せず成果を無邪気に発表していくと、その周辺でのビジネスの可能性を潰してしまいます。ある種の資金獲得の道を失うという意味では、これが回りまわってサイエンスを遅らせる可能性すらあります。
実際、日本のバイオサイエンスは、特許制度や産業化の道筋を整備する前にアメリカの「基礎研究ただ乗り論」に追い立てられる形でまい進したため、論文は出れどビジネスがほとんど興らないという構造を作ってしまいました。
その結果ポスドク問題は悪化しましたし、基礎から産業、そしてまた基礎へというサイクルが回らないために息切れ状態です。

  • また、「全ての日本人のための科学(Scienece For All Japanese)」。

先日黒影さんを中心に進んだアメリカのSFAA勝手翻訳プロジェクトが終了し、またオフィシャル版もほぼ同時期に公開されたわけですが、やっぱり訳だけでは物足りない。
ここは日本オリジナルで創ってしまおうぜ、というご意見をいくつかいただきました。大賛成です。
一応、日本もオフィシャルには「科学技術の智」という名でSFAJもどきを出してはいるんですよ。
でもまあ正直あまり面白くない。SFAAのようなワクワク感も少ない。確かに要点は押さえてありますが、よくも悪くも官僚的です。
もっと中学生くらいが読んでドキドキし、科学の全体像をイメージでき、人生や生活に役立つような「全ての日本人のための科学」が必要じゃないでしょうか。
関心ある方はぜひ連絡ください。策を練ろうじゃありませんか。

方針はいつも大変ご立派なのですが、具体的な策が見当たりません。この辺を有志でマッシュアップするのも面白そうです。
そのほかいくつかお題が出ましたが、続きは是非次回の博士ネットワーク・ミーティングで盛り上がりましょう。
で、その次回ですが、

2009年2月7日土曜日午後、筑波にて

というところまで決定いたしました。
オープンなワークショップ形式で、出来る限り自由な交流とディスカッションの時間を多くとる方向性でいく予定です。
なんらかの大テーマを定め、各論に関しては複数の場を設け、自発的な議論の発生を中心に進めて行こうと考えています。内容はレポートの形にまとめたいと思います。大まかに言って、この本にあるような進行を試みたいなと。

オープン・スペース・テクノロジー ~5人から1000人が輪になって考えるファシリテーション~

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なかなか面白いので、もし関心をお持ちでしたらご一読あれ。
詳細についてはまた逐次ご報告いたします。
ではでは、皆様よろしくお願いします〜。