どうなる科学界改革

http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=71290
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20051228it07.htm
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20051227MS3M2700P27122005.html
http://www.asahi.com/science/news/TKY200503120673.html
こちらもいろいろ。2005年はアジアの科学界が大揺れでした。歴史に残るES細胞捏造事件で日本の件は影が薄くなったものの、アジアの生命科学はこんなもんか、という印象は強くなったのではないかと思います。
文部科学省は不正告発窓口を作るらしいですが、さてどんなもんでしょうね。
大体において、ボス自身が手を下していることはありませんし、指示の証拠もないでしょう。実際に手を動かすのは末端の院生やポスドク、助手。彼らが告発するとなると、自分の研究を失うことにもなります。つまり、「カミカゼ」の覚悟が必要となってきます。そこまでする場合、往々にして人間関係のトラブルが関わっています。
つまり逆に言えば、捏造の捏造を行う「カミカゼ」もありうることになります。
また、不正は追い詰められた人間の行為でもあります。正確なデータはありませんが、生命科学系の研究室のメンタルヘルスにはかなり問題があるのではないかと感じています。自殺したバイオ系の知人が僕にも既に二人ほどいます。
さらに、研究の「基礎」を支える、テクニシャンやラボマネージャーの雇用や地位が低くかつ安定していません。多くの場合、院生やポスドクが無給で雑用や管理を行っています。この辺りも、以前述べた責任不在体制と同様の問題を抱えています。
こういった諸状況全てが、研究の不正や非効率に結びついています。
制度的に抜本的な改革を行わない限り、研究の質が上がることはありえないでしょう。